Microsoft office2010 office2013 等のインターネット認証機能が強化している中、未だに減らないオフィスの海賊版流通事情を調べてみました。
マイクロソフトも注意喚起をしていますが、恐らく過去同様にイタチごっこなのでしょう。
しかし、最近の非正規品は今までと違ってきています。
海賊版などの非正規品に騙されないようにするためには、まずは使用者がその仕組みを理解して予防しなければなりません。
(マイクロソフトの注意事項)
https://www.microsoft.com/ja-jp/office/2013/prodinfo/default.aspx?navIndex=3
傾向
100%ネット通販やオークション系サイトなどの出品行為が自由に行えるところからです。
ヤフオクはもちろんのこと、その多くがメルカリなど個人が出品できるオークションサイトで売買されています。
不思議なことに昔は評価が低い出品者、つまり中国人バイヤーが売り逃げしていた傾向にありましたが、最近は評価の高い出品者が海賊版に気付づかずに出品しているケースが多いです。
そういう出品者の出品物を見るとMicrosoft Office 2013のOEMが複数出品されていますし、驚いたのはDVDメディアでどうどうと販売している出品者も多数いることです。
そういう海賊版を中古PCにインストールして販売している方もいます。
これは出品者自体が気付いていないケースがほとんどです。
悪意があるケース
こういう非正規品の出品内容を素人の方が読めば確実に騙されると思います。
コメントには「間違いなく正規品です」とありますが、明らかに海賊版というものも中にはあります。
自信を持ってそう書いてあると購入する方のほとんどが騙されるのでしょう。
もしかしたら、この出品者たちもそれが海賊版と知らなくて出品しているように思うくらい自然な説明もなかにはあります。
出品物の中には「返金対応」と書いてあるのものもありますので、落札者としては信じてしまうでしょう。
その中からそれっぽいものを落札してみました。
送られてきたのは紛れもない海賊版です。
見て直ぐに分かりますが、一般の方は恐らく分からないでしょう。
これがなぜ海賊版なのか?
念のためマイクロソフト社のサポートセンター(0120-54-2244)に確認しましたので非正規品で間違いありません。
まず、office2013シリーズはCDで販売していません。
ディスク自体がないのです。
どんなケースであろうと、どんな状況であろうと、ディスクでの流通は一切ありません。
2013以降はプロダクトキーが書いてあるカードのみです。
それだけです。
DVDに焼かれているソフトはoffice Professional Plus 2013というボリュームライセンスのソフトの単なる企業の評価版です。
期間限定品と言った方が良いでしょう。
実際に中身を見てみるとソフトが起動します。
下記を参照ください。一目瞭然です。
https://www.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/evaluate-office-professional-plus-2013
ここが味噌ですが、そのDVDでインストールすると正常にインストールでき、ソフトウェアが起動できます。
普通のワード2013、エクセル2013、アクセス、パワーポイント2013です。
これは企業用に作られた評価版オフィスで期間限定で使えるものですから、製品版と同じものでなければならないからです。
気付かないことが怖い
一般の方はそれが原因で海賊版を買わされたことに気が付かない人がほとんどです。
このDVDは非正規品用のバックアップで添付されているもので、プロダクトキーでインストールできない場合はこれでインストールしてもらいます。
しかし、プロダクトIDで認証できないものは全て不正つまり非正規品ですので、お金を出してオフィスを購入(ライセンスを購入)したことにはなりません。
非正規品や海賊版などのプロダクトキーをセットアップサイト(ダウンロードサイト)に入れてみると下記のメッセージがでます。
これはプロダクトIDが既にマイクロソフト側で海賊版IDと認識しているからです。
つまり「拒否」され、認証は絶対に受けられません。
一瞬ライセンスオーバーかな?
と思う人もいるかもしれませんが、ライセンスオーバーの場合もインストールはできます。
ライセンス認証はできないだけで通常の画面にはなります。
下記を参照ください。
リカバリー作業などにより、ライセンスオーバーになるとマイクロソフトセンターに電話で再認証をしてもらうという認証可能になります。
マイクロソフトのプロダクトキーであればそれが可能ですが、海賊版プロダクトキーであれば絶対に認証できません。
まず、プロダクトキーを入力した時点でエラーがでます。
そこで非正規品のプロダクトキーと初めて分かるのです。
こういう仕組みを理解しておかなければ、それが正規品なのか?非正規品なのか?分からないと思います。
ただ、実際一般の方に理解しろ!というのも無理ですので、最大の予防策は自身でスキルアップするか?
オフィス製品はネットで購入せずに量販店で購入したり、ネットの場合は大手量販店のネットショップなどを利用するなど、工夫が必要です。
騙されたァ~!
で終わらないのが2013以降の海賊版
怖いのはこれから
以前であれば、この時点で騙されたということでここで終わります。
しかし、今の時代はそれで終わりません。
大量に製造された非正規品オフィスはゾンビPC(※1)を作って行くことで役立つのです。
つまり、DVDの中にはスパイウェアもしくはウィルスが混入されているケースがあります。
知らずにインストールすると、潜在的にパソコンの中に入り、何らかの被害に逢うかもしれませんので、充分注意が必要です。
ゾンビPCとは
ウィルスやスパイウェアに感染し、さらにそのPCから他のPCに感染していくことで世界中に感染PCを増やし、リモートで自由に操作できるようになるパソコンの事を言います。近年、この無数に感染したPCがある特定の時間に特定のサイトに集中アクセスすることでサーバーをダウンさせている事件も増えています。
実験
比較的CDに焼き付けられているスパイウェアやウィルスは古いものが多く、市販のウィルスワクチンソフトなどでチェックすると直ぐに反応します。
ウィルス/スパイウェア混入
同梱されていたDVDをマイクロソフトの誘導のもとDVDの中を調べてみました。
明らかにマイクロソフトが作ったものではありません。
そしてDVDをウィルススキャンしてみます。
マルウェアは比較的windows Defenderの検知率が高いです。
直ぐに悪意のあるソフトウェアを検知しました。
数個混入しています。
DDoS:Win32/Nitolです。
厄介なマルウェアを入れられています。
これは昔流行ったマルウェアでメモリ常駐型のものです。
詳しい仕様は分かりませんが、レジストリを書き換え、OSに潜在的に残るものですのでリカバリー等の処置が必要です。
恐らく、インストールされた方はウィルススキャンなどの駆除だけでは駆除できないと思います。
確実なのはリカバリーをすることです。
これが厄介なのは他のスパイウェアの亜種から自身を増殖する傾向にあるものですから、増殖過程で動作が遅くなるというのは必ずあり、それ以外にダウンローダーが忍び込ませてある為、他のスパイウェアをダウンロードし、リモート操作が可能になります。
意外と感染しているものは多く、気が付かないです。
windowsXP時代に流行ったものですが、windows7/8.1/10動作可能です。
早急に対応が必要だと思います。
どちらにしてもこの海賊版の数は大量に出回っていますので、DVDでのインストールは絶対にしないようにしてください。
まずは上記のマイクロソフト注意喚起を確認し、海賊版か否かのプロダクトキー確認をしてください。
心配し過ぎてもいけませんので、電話で確認するのが一番良いです。
必要であれは被害報告の専用窓口も掲載されています。
現在、マイクロソフト社及びヤフーは過去にも増して情報提供を呼びかけています。
現在はコンピューター犯罪法の改正もあり昔から比べると摘発し易くなっているのが現状です。
そこに常習性があるか?否か?が決めてになります。
ヤフオク等では過去の履歴、トラブルの報告などが無いか?など水面下で捜査が進められます。
過去の事例で言うと逮捕者も多数でています。
やはり正規販売店で買うのが安心です。
それといくら安くてもOEM版には手をださないことです。
領収書(納品書)等があれば、現在マイクロソフトでも救済処置を行っていますので、利用されては如何でしょうか?
マイクロソフトの偽造品の救済
下記を参照ください。
解決策
最も安全なのはパソコンを初期化(リカバリー)することです。
ただ、初期化するとセットアップやデータの復元など、非常に面倒な場合が多いと思います。
ウィルススキャンして駆除という方法もありますが、スパイウェアの場合はそのプログラム自体が「悪意のあるプログラム」ですので、外から見ればプログラムとして成立しています。
ウィルスワクチンで検知できる場合もありますが、できない場合もあります。
ですから、初期化して完全に駆除する方法が最も良いとされています。
付属のリカバリーディスクもしくはHDD内にあるリカバリーエリアにて初期化ください。
分からない場合は下記の東芝サポートセンターもしくは下記バナーからご質問ください。