近年データの重要性が変わってきました。
ほとんどの企業はパソコン無で仕事ができないようになってしまったのです。
さらには「消せないデータ」が肥大化し、ビックデータ問題という社会現象にも発展しているのも事実です。
今何が重要か?というと中小企業が安全且つ安心してデータを一元管理していくことだと思います。
つまりデータ管理です。
ただ、ほとんどの中小企業がそのデータ管理に対して疎かな対応があり、ボックスNASという手ごろなネットワークディスクを使ってフォルダの共有やファイルを共有しながら日常業務を行っているのが現状です。
しかし、これには大きな落とし穴があります。
それを含め、中小企業に必要な安価で信頼性あるデータ管理を考えてみました。
ボックスNASの落とし穴
量販店などで市販されている下記のようなものがNAS(ネットワークアタッチトストレージ)です。
デスクトップにショートカットを作り、そこをクリックするとネットワークの共有フォルダにアクセスできる単純な機器です。
これは誰でも簡単に設定できるというのがセールスポイントになっています。
構造は至ってシンプルであり、HDD(ハードディスク)が中に入っていて、そのディスクのパーティション先頭にLinuxのOSがインストールされているだけのものです。
それがネットワークのアクセスを制御している極々簡単な共有ディスクになり、最近はRAID0(ストライピング)やRAID1(ミラーリング)又はRAID5(分散)などの技術を活かし、信頼性をセールスポイントに売られているのを良く見かけます。
ところがどっこい、それは営業マンが使うセールストークと同じであり、実際に障害が発生した時はどうでしょうか?
データの保全はもちろんですが、中小企業に問題なのは復旧時間とコストです。
2重化された機構でデータの保全はできても、それを復旧するまでにどれくらいの時間とコストを要するか?
ここが最大の問題になっています。
復旧に要するコスト
RAIDは2本のディスクを仮想的に1本にし、これでOSなどの環境を動かしています。
仮に1本が破損してももう一本同じものがありますので、通常通りパソコンは起動します。
このようにHDDの破損であれば良いですが、本体のマザーボードなどに損傷があればどうでしょうか?
復旧できるか?と言う問題が発生します。
私のユーザーの場合、何らかの原因でそのNASにアクセスできなくなった時に慌てて電話がある事が多いです。
再起動など復旧できる場合もありますが、ほとんどのケースがアクセス不能に陥ります。
担当者はそこで初めてその落とし穴に気付くのです。
つまり、機器のアクセス障害なので、HDDは生きている為、データは無事ですが、肝心なデータにアクセスできないと言う問題があります。
アクセスできない場合はそこで業務が止まってしまう場合もあり、業務に支障をきたしてしまいます。
そうなるとそれ以降は専門業者でなければできません。
このようなトラブルの場合、どれくらいで復旧できるか?ここが一番の問題です。
復旧の仕方は、NASを業者に送ってデータ復旧できるものや、出張で対応するもの様々で、長ければ、一週間くらいは要するものもあるでしょう。
それまでデータが使えない?見積が出せない。提案書が提出できない。
など、いろいろな問題が発生します。
これでは何が安心なのでしょうか?
これが私の言う落とし穴です。
中小企業のデータ管理
大事なデータは簡易的なNASなどで管理するのではなく、やはり頑丈な筐体のサーバーで管理してほしいというのがあります。
決してNASを否定する訳ではありませんが、これはあくまでもSOHO(2,3人で使うもの)用に作られたものですので、個人的にはいろいろな問題があると思っています。
そこで私が提唱する中小企業のデータ管理とは下記が最低限の条件です。
①安価でシンプルな構成
②システムの信頼性(耐久性)
③スピーディーなデータ復旧(業務を止めない)
④復旧コストが最小限。
この4つがあって初めてユーザビリティあるリーズナブルなデータ管理と言えると思います。
どんなに安くても、復旧に掛かる時間、コストが発生してはダメです
私からするとそれは余分なコストであり、本来そこをきちんと考えておけば発生しないコストです。
安定的に且つ、コストを発生させないシステムは何があるかを考えました。
中小企業が考えるデータ管理
ここでは中小の中の小企業で導入するデータ管理を考えてみます。
例えば社員が10~15名と考えてみましょう。
お金に余裕があれば、windows serverを導入するのが良いですが、安くなったとは言え全部揃えると100万程度の投資が必要になってきます。
データの共有程度でそんな大それたものを導入する必要はありません。
そんな場合は、データ管理用に作られたwindows storage server を使うと良いです。
50名(Workgroup)まで同時アクセスが可能ですが、スタンダードモデルになると無制限になります。
つまり、データ共有だけであればwindows server 2012などの導入の歯止めになっていたライセンスを別途買わなくて良いというメリットがあります。
私もいろいろな企業に導入してきましたが、NASの時より数十倍安定していることは確かです
ほとんど、故障、障害もありません。
これにバックアップの概念を入れると安定したデータ管理が可能になります。
では導入コストはどれくらいでしょうか?
最低限で積算してみました。
導入コスト(概案)
導入コスト:15人の中小企業を想定
項目 | 内容 | 金額(税別) |
本体 | 富士通PRIMERGY TX1310 M1 SELECT WSS | 170,000円 |
保証 | SupportDeskパック Standard 3年HWのみ | 64,000円 |
モニター | 17型スクエア液晶ディスプレイ ブラック | 12,000円 |
UPS | 富士電機 小形無停電電源装置(750VA/500W) | 40,000円 |
セキュリティ | PKG Trend Micro ウィルスバスタービジネスセキュリティ15ユーザーまで | 82,000円 |
バックアップ | エレコム USB3.0対応外付けハードディスク/4TB | 20,000円 |
ラック | エレコム 据置型サーバー専用ラック | 100,000円 |
設置 | ラック組立作業 設置 | 12,000円 |
設定 | 共有インフラ構築(設定) | 100,000円 |
600,000円 |
フルフルで揃えてもこれくらいの投資ですから、この中から必要なものだけを使うと言っても良いです。
15人以上になるとビジネスセキュリティのPKG版が使えないので、それを越える場合は別途ライセンスで購入するワクチンソフトを買う方がお得と思います。
そんなに高額ではありませんので、安心を買うということで購入してください。
業務に関係するデータなので、IT投資と考えれば必要経費だと思います。
ラックの中にシンプルに構築でき、物理的な盗難等にも強い仕組みになります。
私は社内の監視カメラの映像サーバーとしても利用しています。
その2Windows Storage Server 2012R2の初期設定
以上です。引き続き、上記ページをご覧ください。